男も家事(おもかじ)いっぱい
奈良県に住むようになって、もう、かれこれ40年近くになる。結婚後も共働きを続けていたが、2年後に子どもが生まれ、最初は実家の母にみてもらっていたが、母が身体をこわしたために、今度は、お姑さんにみてもらうことになり、夫の実家のある奈良に転居してきたのがきっかけだ。
私が住んでいるのは,県内でも北部の、いわゆる新住民が多い奈良市西郊の住宅地だが、奈良県は南北に長く広がり、県内全域をみると、まだまだ男女の性別役割分担意識が根強く残っている地域も多い。女性の就業率が全国一低いのも、そんなあらわれのひとつかもしれない。私が奈良に来たころから、このことは問題視されていたが、近年、またまた、奈良県として、あまり自慢できない“全国一”の数字が脚光を浴びた。ひとつは、男性の帰宅時間が全国一遅いことと、もうひとつは、女性の家事関連時間が全国一長いということだ。帰宅時間の遅さは、県外就業率が高いため、通勤にj時間がかかることが多分に影響していると思われる。その結果、家事に関わる時間が少なくなり、女性の家事時間がその分、長くならざるをえないということなのだろう。
このため、奈良県男女共同参画県民会議では、「男も家事(おもかじ)いっぱい」と名づけて、男性にもっと、家事や育児に協力してもらうための啓発活動を続けている。今年度は、その一環で、「男の家事フォトコンテスト」を実施。男性が家事に取り組む姿を家族が撮った写真を募集したところ、44名から62点の応募があった。その中から10点が入賞作品に選ばれ、その入賞者の表彰式が、橿原市内のショッピングモールで行われた。私も県民会議の会長として、表彰状を渡す役目を頼まれて出席した。
会場には、入賞した作品がパネルで展示されていた。「男も家事(おもかじ)最優秀賞」に選ばれたのは、休日の朝、幼い娘と一緒に、洗濯物を干す父と子のツーショット。次点の優秀賞も、洗濯関連だが、こちらは、やや年配の父親が茶の間で、テレビを見ながら洗濯物をたたむ後ろ姿を撮っている。タイトルは「一日の終わりに…」で、「これを終えないと、明日は来ません…」というメッセージが添えられていた。ほかにも、赤ちゃんの入浴やおむつ替えを手伝う若いパパの姿、台所でイカをさばくお父さんなど、日常のさりげない一場面を撮ったほほえましい写真が、来場者の共感を呼んでいた。表彰式には、撮影者の奥さんが出席した人も会ったが、被写体になった父親本人が、子供連れで表彰状を受け取る姿も目立ち、一昔前の、”男子厨房に入らず”といわれた時代には、およそ考えられなかった、ごく自然に家庭の中で、夫婦が家事を分担しあっている様子がうかがえ、共働きの草分け世代としてはうれしく、また、ちょっぴり、うらやましい光景だった。
ちなみに、奈良県の男性の家事関連時間は、1日に36分らしい。一方、女性は4時間14分。まだまだその差はあまりにも大きい。男性の家事時間を、せめて、あと15分増やそうというのが、「男も家事(おもかじ)いっぱい」事業の狙いだが、さて、その成果のほどは?
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